「ラスト東伏見」の勝利への執念を感じさせた4年生のGK金子将太朗をはじめ、いい形でリーグ戦を終えて次につなげたいという気持ちが感じられた、この日の中央。インカレまでの1カ月、どう変身するかに注目が集まる。


平成30年度関東大学リーグ戦 1部A順位決定リーグ

2018.11.25 東京都西東京市・ダイドードリンコアイスアリーナ

東洋 3(0-2、1-1、1-1)4 中央

リーグ戦の全17試合を終え、中央・八戸了監督は、ほっとした様子で言葉をつないだ。「チームは一時、谷どころか谷底にいて、光は見えないと思っていました。でも…」。台風で順延になった10月10日の対明治戦(1-7)は、その象徴的な試合だった。しかし、たとえ暗い谷底にいても、顔を上げていれば、いつか光を見ることができる。ギブアップしなければ、必ず光は差し込む。苦しいことの多かったこのリーグ戦で、中央はそれを証明してみせた。

中央、東洋ともに、勝ってリーグを終えてインカレにつなげたい最終ゲーム。先にスコアしたのは東洋だった。「東洋の象徴のようなプレーをしてくれた、この秋のMVP」と鈴木貴人監督が評したFW所正樹(3年)がPPを生かして先制弾。しかし中央も2分後、FW宮本明朗(2年)が同点ゴールを奪い、後ずさりすることがない。14分には、FW小原匠麿(1年)がゴール右から勝ち越しの2点目。取られても取り返し、さらにリードを奪う。3連敗を喫した1次リーグ終盤にはなかった粘りがチームに備わっていることを示した。

中央は16分にPSを得るも得点ならず、2ピリ7分にはアフターホイッスルによるノーゴールで、またも「3点目」を逃す。しかし、今の中央はそれでうつむくことがない。14分、FW阿部翼(3年)がOゾーン右からゴール正面に持ち込んでシュート、そのリバウンドを4年生のFW沖澤拡が押し込んで待望の3点目。17分に1点差に詰め寄られるも、3ピリ8分にはやはり4年生のDF渡邉謙太が「1年春の活躍と、このゴールを忘れないで」とばかりに、自らのシュートリバウンドをたたいて東伏見への惜別の4点目。19分にPSによる3失点目を喫してヒヤリとしたものの、リーグ終盤戦において最強とささやかれた東洋を相手にしっかりと勝ち切り、リーグ戦を締めくくった。

最終戦に勝利し、八戸監督は「リーグ戦の終盤は、自分たちがやることは何なのかを選手自身が理解できていた。インカレに向けての課題はスペシャルプレー。あと1カ月あるので、システムをブラッシュアップしていきたい」と充実の表情。思い起こせば、順位決定リーグが始まるまでは、にこやかな顔でチームの戦いを振り返ることなど想像もつかなかった。

それにしても、DF蓑島圭悟(4年)がリーグ戦の最初からメンバーに入っていたら、中央は、そしてリーグ戦全体はどうなっていたのだろう。今となっては想像しても詮ないことだが、これだけはいえるのではないか。中央というチームにとって、谷底を経験したからこそ見えたものがあった。そしてそれは、次のステップを踏むためには、きっと必要な経験であったのだと。

東洋・鈴木貴人監督

「今日は、試合の入りのエネルギーが足りませんでした。それでも、3ピリまで崩れることなくやりきった。(この試合の前に)3位が決まっていてモチベーション的にも難しく、(2日前の)早稲田戦でエネルギー、体力を使っていた面もあったと思います。リーグ戦全体を振り返ると、1次リーグ開幕戦で法政に7-9で負けて、チームとしての方向に迷いがあった。それでも2次リーグに入って、走ってプレッシャー(を相手に与えて)、泥くさい東洋らしいホッケーができていたと思いますし、インカレ優勝に向けて意味のあるリーグ戦だったと思います。特に、1次リーグではできていなかった5人の連動性。終盤、これができるようになったのは大きいですね」


一時はチーム全体が自信を失っているようにも見えたが、順位決定リーグでの中央は、生き生きと「強いプレー」ができていた。

元のページへもどる