下位校に星を落とす一方で、上位校とも対等に渡り合う力を持つ法政。1つにまとまり、チームワークに徹した守りができれば勝てない相手はないと木谷監督、川村コーチは口をそろえた。


高校時代に日本一、あるいは日本一を狙える実力校の上のセットで活躍していた選手を補強しながら、なかなか上位に食い込めない法政。かつて公式戦72連勝、インカレ12連覇という金字塔を打ち立てた大学アイスホッケーの名門は、秋のリーグ戦をどう総括し、苫小牧インカレにつなげようとしているのか。十條製紙OBでもある木谷克久監督、西武鉄道OBでもある川村克俊コーチに聞いた。

——秋のリーグ戦では途中、6連敗もありましたが、なんとか入替戦を回避、5位になりました。

木谷 まあ、5位になれるとは思っていませんでしたよね。特に7位の日体とは2試合やって勝ち点1しか取れなかったですし。ただ、後半戦は守りもよくなって、接戦に持ち込めるようになってきました。

——1次リーグ開幕戦で東洋を相手に9-7で勝ちました。それを考えると、全14試合で4勝10敗という戦績をどう受け止めればいいのでしょう。上位校を相手にしても、下位校を相手にしても、いつも「いい試合」をしていた印象です。2次リーグは明治、早稲田、中央にすべて先行しながら、最後は逆転で敗れました。

木谷 ここという時に反則して、流れを相手に渡していた。1つのピリオドに連続失点してしまうとか、1ピリから3点くらい取られてしまったり。そうなるともう勝負にならないですよね。

——リードを保ちながら押し切れない。60分トータルで勝ちきれない。その背景には何があるのでしょうか。

川村 体力的にはそんなに差はないと思うんですね。結局、ペナルティが多くなると、それだけ主力が出ている時間が長くなる。その疲労で試合後半にやられてしまう面もあったかもしれないですね。

——法政は練習環境もタフですよね。氷上練習は朝4時半~5時45分という日が多くて、3時台に始まる日もある。朝4時台に練習する大学はほかにもありますが、法政の場合はリンクまでの移動が伴います。氷上が終わってからは陸トレ、学校。リーグ期間中はキツいと思います。

木谷 私たちの時代は授業に出なくてもある程度、許されましたけどね(笑)。今はみんな授業優先なので、基本、陸トレも学生任せなんです。

川村 昔は品川リンクの近くに合宿所があって、朝6時から陸トレで。

木谷 そう、プリンスホテルの従業員の施設に住まわせてもらって。

川村 高輪の坂、よく登りましたよね。

——うっ……「品川西武」時代の話を続けたいところですが、話を法政に戻しましょう。今朝の氷上練習を見学させていただいて感じたのが、パックプロテクトが課題かなということです。個々がパックを持ちたがる割にキープしきれないというか。ポークチェック1つでギブアウェーという場面が再三ありました。

川村 ターンオーバーですよね。

木谷 リーグ戦でも多かったからね。

川村 試合では、ターンオーバーは必ずあるものなんです。ただ、時間帯だとか、場所にもよる。特にウチはDFが攻撃しすぎるので、もっと守りを重視する必要がありますね。下位のチームが相手の時は、よく守っているんです。ただ、日体戦ではムダな反則があって、2つとも落としてしまった。反則があると、やっぱり接戦で勝てなくなります。選手はみんな、ホッケーの知識はあると思うんだけど、そのあたりをどう考えていくかでしょう。ホッケーというものに対して。

木谷 この場面でどういうプレーをすべきかという点でね。頭にきたから(反則を)やったとか、そういうのをなくしてしかないと。

——法政は、たとえばPPに出てくるユニットを見ても、それこそ明治と比べてもそん色ないメンバーがそろっています。それが勝ちにつながらないのは、見ていてもどかしいというか。そういう状態がもう何年も、それこそ10年以上続いています。

川村 個々のスキルが1つにまとまっていないということでしょうね。選手を見たら、そんなに劣っていないんです。いい選手はいるのに、点が線につながっていかない。たとえばPPでも、こうすれば点数が入るというパターンが必要だし、どんな形でもいいから入れるというのも、まだ足りないと思います。シュートを打ちました、キーパーがキャッチしました、終わり。そういうケースが多いですね。点数は1人で入れるものじゃなくてみんなで入れるもので、それが「チームワーク」なんです。

——木谷監督は十條時代、タイガーマスクとして有名なゴーリーでしたが、法政はリーグ戦ではGKのスターターを固定しませんでした。たまたまなのか、意図的に併用していたのか、どちらでしょう。

木谷 レベルは3人(伊藤崇之・4年、吉田駿太・3年、中島康渡・2年)とも差はないと思います。平日の練習を見て調子のいい選手を出していたんです。当初の考えでは、1人を軸にしようと思っていたんだけど。

——法政の伝統の代名詞でもあるインカレが迫ってきました。限られた時間でどこを修正し、どこを強化していこうと。

木谷 やっぱり、一番は「守り」です。2次リーグの慶應戦(4-1)のような試合をやってくれれば、どことやっても大負けはしないし、接戦になると思います。

川村 最後の大会ですし、4年生がチームをまとめて戦えば勝てないことはない。個々のメンバーを見れば、けっして劣っていないんですから。チームが1つになって必死になって守れば、仮に準々決勝で東洋と当たったとしても、勝つチャンスは十分にあると思います。

法政黄金時代を知る木谷監督(左)と川村コーチ。朝練の後、コーヒーを飲みながら口にする言葉からは、現役選手への愛情が感じられた。

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