インカレ2回戦で法政に敗れ、今季の戦いを終えた大東の選手たち。最後の円陣を終え、控室に戻ってからもしばらくは無言が続いた。


12月26日、苫小牧インカレ2回戦。大東文化は法政と対戦し、1-7で大敗した。2ピリ終了時点では0-3。互角とはいえないまでもよく食らいついたが、3ピリになって我慢の糸が切れた。7失点中、4失点はPK。相手がパックを持っていたら足を使ってプレッシャーを与え、相手に抜かれたら足を使って取り戻さないといけないのだが、スピードで追いつけないぶん、どうしてもスティックが出てしまう。法政も1部Aでは4勝10敗と今秋は苦しんだが、大東にとっては、日ごろ戦っている舞台がAであるかBであるかの差を見せつけられた。1回戦・関西学院戦の1ピリで、エースFWの茂木慎之介(3年)が脱臼、欠場したことも響いた。

大東は埼玉県東松山市に合宿所があり、6人いる4年生のうち3人は県内にある埼玉栄高でもチームメイトだった。キャプテンのFW松渕雄太、FW矢島龍、DFの馬場風諒。同期のハリデー慈英(早稲田)、在家秀虎(慶応義塾)らと高3の苫小牧インターハイは決勝まで進んでいる。1学年下の茂木を含め、彼らが1シーズンでもグループAでプレーしていたら、どんな景色が見られただろう。

インカレ2週間前に行われた入替戦では、大東は日体大に1-4で完敗。昨年までの過去3年間の入替戦では、大東はなんと、3戦とも途中までリードしながら逆転で敗れている。「すべてにおいてメンタルが課題だと思います。もちろん全員がそうではありませんが、メンバーの中には、自分たちより強い相手だとビビってしまう人がいる」と松渕。「相手が強ければ当然、ミスが出ます。そのミスをカバーできないところがウチの弱点ですね。1人がミスしても、2人目、3人目がカバーできればいいんですが、それができない」と矢島。馬場は、試合の時ではなく日常における精神面を課題に挙げた。「入替戦に負けて、悔しい、次こそはとみんなが思う。でも、シーズンが終わって、陸トレをやってという中で、だんだんその悔しさが薄れてくるんです。そういう気持ちを持ち続けて、次こそはAに昇格してほしい」

酒井優好監督は、「今日の法政との試合でもありましたが、パックを味方に渡すべきタイミングで渡さないからピンチを招いてしまう。日ごろBの戦いの中では、持ちたいだけ持ててしまうから」と話した。1シーズンでもAで戦うことができれば、おのずと身につく考え方だったり、試合の進め方がある。そして、それを続けることが、やがて習慣となり、伝統になっていくのだろう。それを自分たちのものにするには、来季の入替戦に勝って、ステージを1つ上げるしか方法はない。

松渕、矢島、馬場の3人は、このインカレを区切りに大東のユニフォームを脱ぐ。「僕自身、Aでやりたかったし、(茂木)慎之介にも1年でいいから経験させたかった。後輩たちには、オフシーズンも努力することを忘れないでほしい」と矢島。「僕はDFですが、攻められたときのバックチェックやポジションどり、コーナーでの取り合いに勝つとか、守りを強化してほしいです」と馬場。そして1年間、キャプテンを務めた松渕はこう言った。「何のために大東に入ったのか、それを後輩たちは忘れないでほしいです。アイスホッケーができることに感謝して、共通認識を大事にして、みんなで1つの目標に向かってやり遂げてもらいたい」

どこの大学もそうだが、インカレで敗れたチームの最後の円陣、長いミーティング、そして控室から出てきた選手の表情は、どの大会とも違ったものがある。負けたけど、やりきった。心残りはあるけど、後悔はない。最後の試合を終えたときに、そう思いながらリンクを後にしてもらいたい。松渕、矢島、馬場の笑顔は、大東の後輩たちにそう語っているように見えた。

左から馬場、松渕、矢島。「なんかオレ、とらえられた宇宙人みたいだな」と松渕が言うと、ようやく3人にスマイルが戻った。

元のページへもどる