F1がOゾーンで最低限のコンテインはするものの、必要以上にフォアチェックにエネルギーを使わず、カウンターで3点を奪った明治。マイパックにしてからの反応、敵陣で数的優位をつくり出す速さに、合宿の成果が現れていた。


第91回日本学生氷上競技選手権 準々決勝

2018.12.27 北海道苫小牧市・白鳥王子アイスアリーナ

明治 4(0-1、2-0、1-2、GWS1-0)3 早稲田

どちらかがリードを奪っても、最後まで点差が「2」に広がることはなかった。公式戦での対戦は春に1試合、秋に3試合を経ての5戦目。決め手を欠くというより、双方の長所・短所を知りつくした者同士ゆえの密度の高い戦いだった。どちらもエンドゾーンで踏ん張り、最後の一線をなかなか割らせなかった。

先制は早稲田。Oゾーンに入って右の遠目からDF大崎大祐(3年)が放ったショットに明治GK香田凌辰(2年)がうまく反応できず、そのままゴールイン。関東大学リーグ最終戦で優勝をさらわれた早稲田がリードする形で最初のブザーを聞く。

2ピリ。序盤は明治のシュートがポストに嫌われ、早稲田もキックショットでノーゴールと、なかなかスコアが動かない。しかし15分、明治は右レーンを流れてきたパックをFW府中祐也(4年)が押し込んで同点。その1分後には、FW松本昂大(4年)がゴール裏を巧みに使って逆転ゴールをねじ込む。

3ピリ1分、早稲田はFW生江太樹(2年)が左の遠目からゴールに向かって打ったショットが、またも直接ゴールネットに。レーンの違いはあれど、1点目と同じようなロングシュートで2-2とする。しかし、明治も3分、フェイスオフからのこぼれ球を左からFW田名部共弘(1年)が突き刺して勝ち越し。早稲田も負けじと13分、FW矢島雄吾(4年)が脚力を生かしてストレッチ、ゴーリーをうまく振って同点ゴールを決めた。

勝敗の行方はGWSへ。1人目で明治・府中、2人目で早稲田FW鈴木ロイ(4年)が決めて1-1。3人目で明治・松本が決めて、辛くも準決勝へコマを進めた。見守るファンからすれば、両チームともに勝たせたいと思える試合。トーナメントは白黒をつけなければならないのは宿命ながら、「勝者・明治。敗者・なし」といっていい内容だった。

早稲田の主将・鈴木は「ゲームプラン通りにできた試合。遠目からシュートを打っていくのもプラン通りでしたが、要所、要所で相手の強さを感じた。ワンチャン(ス)で決めてくるのも素晴らしかった。あらためて明治は強いチームだと思いました」。負けた悔しさを心の中に押しとどめ、相手をたたえる。それもまた「敗者・なし」と思わせる姿だった。

故郷の苫小牧で持ち味を生かした同点ゴールを決めた矢島。最後のGWSはゴールに嫌われ涙に暮れたが、将来、かけがえのない思い出へと変わるはずだ。


法政は1ピリ1分に5人対3人のPPを得ながら無得点。7分に東洋に先制されるという最悪の立ち上がりから2分後に追いつく粘りを見せ、その後は4連続失点で2-5で敗れた。「今の法政の力は出しきりました。でも、それでも勝てなかった。悔いはないです」。秋のリーグ戦中に脳震盪から復帰、1つ目のウイングを務めたFW工藤将一郎(4年)は涙、また涙。


今秋の関東1部A・B入替戦で昇格した日大は、その勢いで2回戦で慶應義塾を破り、7年ぶりに準々決勝へ。地力に勝る中央に1-3で振り切られたものの、主将のFW江良明眞(4年)は「最後に学生トップのチームと戦えてよかった。日大でホッケーをやれてよかったと思いながら卒業できます

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