最後のブザーが鳴るまで目の離せない好ゲーム。どちらか一方しかファイナルに勝ち上がれないのだから、ホッケーの神様も残酷だ。


第91回日本学生氷上競技選手権 準決勝

2018.12.28 北海道苫小牧市・白鳥王子アイスアリーナ

中央 2(1-0、1-1、0-3)4 東洋

11月に終了した関東大学リーグ戦において、最終盤に本来の強さを取り戻した両チーム。どちらがファイナリストになってもおかしくない拮抗した戦いは、東洋が逆転で中央を下し、2年連続の決勝進出を決めた。

前日に引き続き、東洋は4年生の活躍が目立った。1点のビハインドで迎えた2ピリ3分、準々決勝で2ゴールを決めた「いろは坂46」ことDF渡邉亮秀(4年)が大胆なパス回しを経て左からロングシュート。記録上は「イコール」ながら、2分2秒前の中央のペナルティに乗じた実質的なPPで同点とする。1-2で迎えた3ピリにも渡邉が左レーンのFW出口圭太(4年)からのパスアクロスをダイレクトで合わせて同点ゴール。1分後には、キャプテンの古川誠也(4年)が相手のミスに乗じて正面からミドルシュートを決め、開始49分にしてついに勝ち越しに成功する。終了2分前には、相手ペナルティのアドバンテージ中にDF坂元佑(4年)がオーバーラップで4点目。最上級生が記録した4得点を、これまた4年生のGK古川駿が守りきる、「アガる」内容でセミファイナルを終えた。

東洋・鈴木貴人監督は「明日のことは考えずに、今日勝つことに集中して臨みました。3ピリの前に選手に話したのは、フォアチェック、ルースパックに対してもう少しテンポを上げよう、スケートして食いついていこう、と。最大の収穫は、信じる力が選手から感じられたことです。劣勢の中でもネガティブな声がベンチから聞こえることはなかった」と選手をたたえた。監督就任6年目。このインカレ前の合宿は、6年間の中でも最高の内容で終えられたという。「選手が自主的にいい雰囲気をつくり、いい練習をしてくれた。いい合宿をして、いいチームになった。(決勝に向けて)自信はあります」。普段は大きなことを言わない鈴木監督にそう言わせるほど、この準決勝は満足度が高かったということだろう。選手も控室に帰って喜びを爆発させた。誰が叫んだのかはわからないが「あああ~マジ燃えたー!」は、インカレのドレッシングルーム史に残る名言だった。

東洋GK・古川駿(4年)

「このインカレが終われば発表になりますが、新しい世界に行く前に、このチームで勝って終わりたい。僕はまだ、ホッケー人生で日本一になったことがないんです。去年のインカレも決勝で明治に負けているので、リベンジしたいですね」

中央・八戸了監督

「3ピリ10分まではゲームプラン通り。ほんの少しのミスからやられてしまいました。この大会を獲るためにハードなトレーニングをしてきたし、今日も最後まで仲間を鼓舞する声がベンチから出ていた。4年生には、明日の試合(3位決定戦)でやり残しがないようにプレーしてほしい」

中央FW・佐藤優樹主将(4年)

「やられちゃいましたね。でも、引かずに自分たちのホッケーをやったつもりです。差があったとしたら、何なんですかね。大会に入ってからの仕上がりが東洋のほうが上だったのかな。キャプテンとして、チームを勝たせられなかった。今の気持ちは、本当にこれで終わりなのかなって。正直、実感がわかないんです」

選手自身が考え、実践する。鈴木監督の言葉を借りるまでもなく、今の東洋は心身ともに良い状態であることが随所に感じられた。

試合中、押し込まれた時も平常心を保ち続けた古川駿。「プレーの合間にゴールラインの右側を滑るルーティンは去年の秋リーグからです。1つのプレーごとに自分の中でリフレッシュしたかった。GKが構えなければゲームは始まらないので、あえて時間をとって、自分がこのゲームの主役なんだと空気を支配するつもりでやっています」

3ピリ8分までリードを奪いながらの逆転負け。2得点のFW矢島翔吾(1年)をはじめ、中央の選手は試合後もしばらく放心状態だったが、引き上げる時にはスタンドから拍手が起きた。


準決勝第1試合は、3年前の日光インカレの再戦に。3年前の借りを返すべく6連続ゴールを決めた明治が7-2で日本体育大に完勝した。

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