インカレでは準決勝に進出。主力FW、さらに不動の正ゴーリーが抜ける来季も、部内の競争によって地力を上げていきたいと石井監督は話す。


苫小牧インカレの準々決勝では、3ピリ18分、19分の連続得点で追いつき、GWSの末に関大を下して3年ぶりにベスト4入りした日体大。春・秋とも本来の力を出し切れたとは言い難いシーズンだったが、最後に地力の片鱗を見せた。浮き沈みの激しかった1年間を石井和利監督が振り返った。〈聞き手・構成/山口真一〉

——春の選手権は9位、リーグ戦は7位で入れ替え戦(1部A残留)に回り、インカレは3年ぶりのベスト4以上(4位)で今季を終えました。振り返ってみて、どんなシーズンでしたか。

石井 春は日光で合宿をして幸先いいスタートをと思っていたんですが、初戦で青山学院に(GWSで)負けて「下」のトーナメントに回ってしまった。1回戦でつまずいた感じです。リーグ戦も、1巡目のどこかで勝っていれば5位だった可能性もあった。要は、負けた試合のうち1つでも取っていれば入れ替え戦を回避できたのに、そこで負けたことによって7位になってしまったということです。本当にわずかな差ですが、リーグの1巡目で接戦に勝ちきれなかったのが反省点ですね。理由としては、日体大の鬼門である「2ピリ」。2ピリでの連続失点、大量失点が今シーズン一番のウイークポイントだったと思います。「ここから頑張ろう」と2ピリに入っても、序盤の5分以内、3プレー以内に失点することが非常に多い。それでガクッときたところに、また失点が重なる。精神的な弱さだと思いますが、切り替えができないですね。

——今季のキャプテンは高橋勇海(4年)でした。GKということで、試合中にリーダーシップを発揮すること、ゴールを守ることの両立の難しさもあったかと。

石井 高橋は1年生のときから日体のゴールを守ってくれましたが、今年はチームキャプテンが高橋、ゲームキャプテンはDFの小山田峻(4年)でした。高橋だったら多少、難しいシュートでも止めてくれるだろうという信頼はあったと思いますが、その前の時点、DFにしてもFWにしても、もうちょっと相手のシュートに対するプレーができなかったかなと。結局、シュートを打たれる本数が多かったことが失点につながっていたので。

——日体の場合、選手数が関東の1部Aの中ではもっとも多いですね(36人)。全体の5分の2がベンチから外れるということでのチーム運営の難しさもあるかと思います。

石井 私が監督に就任して11年目ですが、2008年に就任したときは選手は24人だったんです。部内の競争を激しくしてレベルを上げていこうと考え、その結果、ベンチに入れない選手が多くなってきて、しかもだんだんと固定化される傾向にあります。ベンチから外れている選手が「自分は何をやってもベンチに入れないんだな」と思うと、練習をしていても気持ちが入らなくなる。チーム力を上げていく上で妨げになる部分もあるかもしれませんが、そういう状況の中でも頑張っている選手を使うという方針は間違っていないと思うし、日体の他のスポーツはもっともっと高い倍率の競争の中で争っています。どういう基準でセットを組み立てていくか、ベンチ入りする選手を決めているかは、私は陸上競技出身なので記録を提示して話すようにしています。どのセットが何回プレーしてプラス・マイナスはいくつというのを学生にフィードバックしているんです。それを見ると、PK明けの失点というのがウチは多いですね。守りきったぞというところで、取られる。

——なるほど。いかにピリオドの20分間、あるいは3つのピリオドを通して集中していくかが課題というわけですね。どこかのピリオドで相手を圧倒しながら、それが3回続かないという印象は確かに強いです。

石井 PKもそうですし、パワー(PP)が終わったあとの失点もけっこう多いんです。パワーが終わった、キルが終わったという場面で取られる。結局は、油断をしないこと。それが大事なんだと学生には常に言っています。先ほども言いましたが、私は陸上競技出身なので、記録は必ず競技にフィードバックされると思っています。アイスホッケーの専門家にはこういう資料はいらないのかもしれませんが、自分では素人だと思っていますので、だからこそ記録はウソをつかないと思っていますし、そこを理解できない選手は課題を繰り返す傾向があります。

——インカレは3年ぶりにベスト4入りして来季への光明が見えました。

石井 来季は10名が入学する予定です。私の息子になりますが、スウェーデンに留学している石井秀人(FW)も戻ってきます。小山田が抜けるのと、吉田和馬(DF・2年)が将来を考えて留学したいということで残念ながら部を離れますので、DFの強化が課題になります。4年間ゴールを守ってきた高橋も抜けますしね。選手は全部で37人で、チームキャプテンは伊藤亮太(新4年・DF)。寮生活も含めてまとめていってくれると思います。ゲームキャプテンは金子嵩貴(FW)、新3年生です。ちょっと変則的にはなりますが、現4年生が決めてくれました。

——いいピリオドのあと、それが続かない。あるいはスペシャルプレーのあとに油断が生まれる。課題を克服するために必要になってくるものは何でしょうか。

石井 私としては、チームのLINEにフィードバックして選手本人にしっかり確認してもらいたいし、セットでも確認してもらいたい。引き続き、数字で表して可視化していきます。数字はウソをつきませんからね。すべてのプレーは数字に表れるし、結果に表れる。結果から見えてくるものを判断材料にするということは学生には常に言っています。

日体のスコアシート。どの選手がどの状況でプレーし、どんな結果を出したか。それを記録することによって課題に浮き彫りにされ、選手への指導に具体性と説得力が出てくると石井監督は力説する。

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