今季の法政のモットーは「ハードワーク」。伝統の「強いプレー」を体現する新キャプテン小西は、「去年まではケガもあって体がキレていなかった。今季は不安なくプレーできています」


4月6日、関東大学選手権が開幕。毎年、この時期の試合を見ていて頭をよぎることがある。今シーズンこそ変わるのか。それともやはり、変わらないのか。オレンジ色の才多き集団・法政大学のことだ。

3月に新チームが発足、都内で集中練習を積んで春の大会を迎える。緊張感があって、戦う意識も伝わってきて、「今年は違う」と思わせる。しかし、毎度毎度、それが長続きしない。たいてい秋は5位で、へたをすると入れ替え戦が見える状態に陥る時もある。現在の関東4強とされる明治、東洋、中央、早稲田と「いい試合」をする一方、下位の大学ともやはり「いい試合」。弱くはないが強くもない、それがこれまでの法政の評価だった。

今春の初戦、開幕日の専修戦は9-1(1-1、5-0、3-0)。まずは順当な勝利だった。昨シーズン出場機会の少なかったFW金子凌大(2年)を1つ目、DF新田谷兼翔(3年)を2つ目に配しての4つ回し。第1ピリオド7分に1点ずつ取り合ったが、先制点を奪われるあたり、スロースターターという課題は改善されていないとみるべきか。

それでも第2ピリオド、新キャプテンのFW小西遼(4年)の勝ち越し点を皮切りに、第3ピリオドにかけて8連続ゴール(1点目と合わせると9連続)を決める。目を引いたのが3つ目の充実だ。3年目のFW土田啓太を中心に、ウイングには南陽向(3年)と伊藤俊之(2年)、DFは田畑秀也(4年)と栗原皐成(2年)。どの選手も華麗さはないが、ルースパックへの反応、前に向かう意欲が光った。「心がけているのは、まず走ること。早めにチェックして、早めにサポートに行って、パックを奪ってからも早くシュートを打つ。僕たちに求められているのは泥くさいプレーだと思っています」と土田。この日はチーム最多の3得点を決めた。

活躍が光った3つ目のFW陣と、今季からコーチに加わった外久保氏。法政黄金期を知る元FWは、釧路からの単身赴任だ。


法政は2年前の春は3位。その時に2年生として引っ張ったDF松井洸も、早いもので最上級生になった。「大学に入った時は代表入りが目標でした。代表合宿に呼ばれても世界選手権に行けなかったのは、進歩がなかったんだと受け止めています」。3月にはユニバーシアードに出場、その経験が強烈だったという。「僕は上のセットで出ていたのに、PP(パワープレー=相手の反則により人数が多い場面)で使われなかったんです。1対1のバトルに勝つことと、ホッケーに向き合う姿勢。そこを変えなくてはいけないと感じました」。卒業後は、プロとしてホッケーを続けていくと決めている。「法政大学という看板を背負って勝負します。その前に、まずはこのチームでハードワークして、4年生らしくリーダーシップを発揮したいと思っています」。態度にも、言葉にも、軽さは感じられなかった。

法政浮上のカギを握る松井。「周りが納得するようなプレー、態度を見せていきたい」


その松井と北海道・釧路の小学校時代から同じチームでプレーしてきたキャプテンの小西からも、3年目までのソフトな雰囲気は消えていた。「法政は、メンツは悪くない。私生活の甘さが、勝てなかった理由です。僕は卒業後に上(トップリーグ)に行くことはありません。今はとにかく法政をきちんとしたチームにしたいし、そのためなら嫌われてもいい。服装についてもうるさく言っています。ヒロシ(松井)が下級生を怒った時には僕が、僕が怒った時にはヒロシがフォローして、みんなが法政に入ってよかったと思えるように、高校生からも入りたいと思われるようなチームにしていきたいです」

かつてコクド、古河電工でFWとして活躍した外久保栄次さんが今春、コーチに就任。松井が言ったように「1対1」「ハードワーク」を掲げている。法政が「変わった」のか、「やっぱり変わらない」のか。真の姿は、次の中央大学戦(4月13日・17時15分)で見えてきそうだ。

今季のキャプテンは小西。スマイルジャパンGKの姉はフィンランドで、弟は東伏見でチームのために戦う。

松井はアシスタント・キャプテン。この男が「本当の本気」になれば、法政だけでなく将来の日本代表にとってもプラスになるはずだ。

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