体を使う「強いホッケー」で明治を凌駕した法政。彼らの勝利は、勢いだけではなく、きちんとした裏付けがある。


4月6日に開幕した関東大学選手権Aグループは今週末の3日間を残すのみとなったが、決勝リーグの各校の戦いが興味深いものになっている。上位4校による決勝リーグが20日から行われており、東洋、法政が1勝。昨季まで2年連続3冠の明治が黒星スタート、早稲田は東洋を第2ピリオド終了時点でリードするなど、例年にない混戦になっている。

選手層、ゲームスピードで東洋が他の3校を上回っているのは、会場で観戦された方ならおわかりのはず。それでも4月21日の早稲田戦は、開始1分で2点を連取しながら早稲田の反撃に手を焼き、ゲーム折り返しの2ピリ10分には逆転を許している。第3ピリオドに入ってすぐに同点、1分後に再逆転、その1分後に追加点と、1ピリ同様に短時間で得点を重ねて5-3で勝ったものの、強さの中に「もろさ」もあった。

鈴木貴人監督は「プレーとしては悪くなかったし、一生懸命やっていましたが、メンタルのコントロールができなかった。逆に早稲田さんは60分間続けて同じプレーができていました」と話した後、「どのチームも力は変わらない。根気強く、自分たちのプレーを続けたチームが勝つと思います」。残り2試合に向けて「いいチームといい試合ができている。自分たちが持っているものを出し切ってほしい」と選手への期待を口にした。

敗れた早稲田は、ユニットとしての動きはむしろ東洋を上回っていた。このチームは味方を1人でプレーさせない。誰かがパックを持てば他の選手がパスコースに走り込み、誰かが相手にプレッシャーをかけにいけば、他の選手がきちんとサポートに入る。出足で2点を失ったが、そこからのプレーは素晴らしく、一時は逆転したのも納得できるだけのホッケーをしていた。

早稲田にとって惜しまれるのは、昨秋のリーグ最終戦の明治戦(1-7)がそうだったように、ある時間帯において魅入られたように失点を重ねることだ。この日も1ピリ開始1分で2失点し、3ピリ開始の2分強で3連続失点。試合を通じての動きはいいだけに、なんとももったいない。FW青木孝史朗キャプテン(4年)は「勝てる試合だったし、勝たないといけない試合。1ピリの2失点は、ふわっとした入りが原因です。瞬間、瞬間で目の前のプレーに集中しないといけなかった」。昨秋のリーグ戦では、東洋に2勝1敗。自信を持って臨んだことが、かえってマイナスに働いたのか。

決勝リーグ「1週目」最大のトピックは、法政が明治を破ったことだろう。開始1分、明治はFW佐久間雄大(2年)がしつこくリバウンドをたたいて先制すると、法政も同じく「91」を背負うFW土田啓太(3年)がゴール右から決めて同点。法政はその後、2度のPK(そのうち1回は3人対5人)を守り切り、このピリオドを終える。第2ピリオド4分、法政はFW伊藤俊之(2年)がリバウンドをゴール右から押し込んで逆転。11分にはFW三田村哲平(4年)が3点目を奪い、リードを保った状態で2ピリを終える。

法政が本当に「変わった」のか、真価が問われた第3ピリオド。結論からいえば、確かに彼らは変わっていた。3分に3-3の同点に追いつかれたものの、11分、法政はFW土屋光翼(3年)が「らしい」ハンドリングで明治DFをかいくぐり、4点目のゴール。13分にはPPで2人多い状況を生かして(公式記録は-1のPK)三田村が5点目を奪い、6-4で明治に勝ちきった。1週間前の中央戦は、3ピリ出足で緊張感を欠き、PS戦で勝ったものの60分を同点で終えた法政。しかし、この日は最後まで戦う姿勢を保ち続けた。1対1のバトルで明治を上回っていた。

決勝リーグに進んだ4校の中で、一番「らしくない」戦いをしたのが2年連続2冠の明治だった。井原朗監督は「法政のほうが走っていたし、体で来ていた。(1ピリ13分の)5:3で取っていれば流れが変わったかなとも思いますが、すべてにおいて相手が上でした」と脱帽。過去2年間、明治はチェッキングよりも個人技でパックを支配するホッケーをしてきたが、強力なFW陣が卒業した今季、従来のやり方では勝てないことが明白になった。

決勝リーグは残り2試合ずつ。4校が初戦の反省をどう生かし、残りのゲームにぶつけていくのか。東洋・鈴木監督が「どのチームも力は変わらない」という大混戦、日頃は大学の試合は対象外というファンも、東伏見まで彼らのプレーを見に来てもけっして損はないはずだ。

外久保栄次コーチが掲げる「バトルで勝つ」ことを貫いた法政。ベンチ内にも、俺たちはできるという自信が漂ってきた。

3失点の香田凌辰(3年)に代わり、2ピリ途中からゴールを守った明治のキャプテン磯部裕次郎(4年)。3ピリでいったん同点まで追いついたが、悔しい結果になった。

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