高校生のように子どもっぽくはないが、大人のプレーヤーとして完成しているわけでもない。この世代のトッププレーヤーでありながらも、彼らとて成長途上ということを教えてくれた2試合だった。

秩父宮杯 第67回関東大学選手権Aグループ決勝リーグ

2019.4.27 東京都西東京市・ダイドードリンコアイスアリーナ

明治(2敗・勝ち点0) 3(0-3、2-1、1-1)5 東洋(2勝・勝ち点6)

東洋が第2ピリオド6分までに4連続得点。その後は明治の反撃に遭い、第3ピリオド4分には4-3、1点差にまで詰め寄られながら、直後に5点目を加えて逃げ切った。明治は、決勝リーグに進んだ4校で唯一の連敗。昨シーズンまで2年続けて3冠(春の関東大学選手権、秋の関東大学リーグ戦、年末のインカレ)の栄誉に浴しながら、早くも夢がついえた。

東洋はここまでの4試合、すべて第1ピリオドの早い時間に先制、追加点を奪って結果的に押し切っている。この日も開始2分、FW所正樹(4年)が先制ゴール。4分にも、所がゴール裏を回ってシュートと見せかけながら、前線に上がってきたDF武部太輝(1年)へとつないで2点目を決める。11分にはDF福田充男(2年)が放ったスライドショットが、そのままゴールイン。2ピリ6分には再び武部太が、相手FWをかわして4点目のミドルシュート。Dゾーンからの攻め上がりのスピード、手数の多さを生かす東洋らしい攻めで圧勝ムードをつくり上げた。

圧勝ムードでありながら、結果的に圧勝にはならなかったところが、まだ途上といえば途上か。「試合トータルでは悪くなく、いいプレーをしてくれましたが、ペナルティで崩れたのが(前週の)早稲田戦からの課題」と鈴木貴人監督。強豪とはいえ、東洋はここ数年タイトルから遠ざかっている。この春を制すれば、2011年秋のリーグ戦以来のタイトルであり、鈴木監督が就任して7シーズン目にして初めての優勝となる。「特にそういうことは意識しません。どこが相手でも、どの試合でも、自分たちの力を出しきればいい試合ができる。それだけを考えていきたいと思います」と淡々とした口ぶりだった。

明治はつらい時期を迎えている。フィジカルよりもテクニック、過去2年間は圧倒的な個人スキルと、点を取るべき時間帯を外さない勝負強さでタイトルを奪ってきたが、決勝リーグの2試合を通じて、相手を完全に押しつぶすまでの力は感じられなかった。キャプテンのGK磯部裕次郎(4年)は気合十分でスターターを務めながら、4連続失点で2ピリ6分でベンチへ。その磯部は「今シーズンはロースコアにもっていかないと勝てない。それは自分たちでもわかっています。2-0とか、そういう試合でないと勝てないのに、立て続けに失点した段階で苦しくなってしまった。ゴール前のバトルに弱いのと、パスレシーブがよくない、そこはこれからの課題ですね」。最終日の29日には、優勝の可能性を持つ早稲田とぶつかる。秋以降への光明を見出してこの大会を終えたいところだ。

秩父宮杯 第67回関東大学選手権Aグループ決勝リーグ

2019.4.27 東京都西東京市・ダイドードリンコアイスアリーナ

早稲田(1勝1敗・勝ち点3) 7(2-0、1-0、4-2)2 法政(1勝1敗・勝ち点3)

前週、東洋を第2ピリオドまでリードしながら最終ピリオドで敗れた早稲田が、気持ちとプレーを立て直して快勝、最終日に優勝の望みをつないだ。

デリケートな立ち上がりから10分、先制点は早稲田に。法政DFがゴール前からかき出そうとしたパックが、早稲田FWの体に当たって入る珍しいゴールだった。法政はその後、ペナルティを連発。早稲田は16分53秒、DFハリデー慈英(4年)が2人多いパワープレーを生かして2点目を刻む。第2ピリオド2分には、今度は早稲田が続けざまにペナルティ。法政としては少なくとも1点は返しておきたい場面だったが、3分、ルースパックを競り勝ったハリデーが、いったん味方にパックを預けてDFの裏に走り込み、パスを受けてからGKとの1対1を制してファインゴール。2人少ない局面での得点で、法政の戦意を喪失させた。早稲田はこの後も第3ピリオド13分までに計7得点、得失点でアドバンテージとなるスコアで圧勝した。

決勝リーグ初戦で相性のいい東洋に逆転負けを喫し、それでもこの日、決勝リーグ2試合の4チームで一番いい内容だったのは早稲田だった。仮定の話だが、最終日で明治に60分勝ちした上で、東洋が法政に60分で敗れた場合は、2勝1敗で並んだ3チーム間の得失点差で勝敗が決まり、東洋と法政が60分を終えて同点ならば逆転優勝が可能になる。3ピリ序盤、出合い頭のヒットで負傷退場となったキャプテン、FW青木孝史朗(4年)のその後が気がかりではあるが、早稲田がどんな形で最終戦を終えるのか、アイスホッケーファンであればぜひ見ておきたい。

敗れた法政は、前週の試合後にチーム内でインフルエンザが流行、DF福島勇啓(4年)が欠場するなど練習にも苦労した1週間だった。試合の立ち上がりは悪くなかったが、不運かつ思いもよらない失点の仕方が、戦う上でのメンタルに影響したか。それまでの試合とは違う、おとなしいプレーに終始した。木谷克久監督は「硬くなったのか、緊張か。ちょっとわからないね。でも、まだ東洋に勝てば優勝の望みはある。切り替えていきます」。大会の主役になりかけて終わるのか、主役のままで終わるのか。29日の東洋戦は、法政の今シーズンを占う大きな意味を持っている。

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