日本に来たときはラーメンが大好きになり、今は「お寿司がおいしいです」。北海道と東京、いずれの食生活もエンジョイできている。


思いを伝え合えば、通じるから。

今春、大東文化大学に入学したFW。韓国の高校を出て1年間、日本の高校(北海道栄高)で学んでいたので、ほかの1年生より年齢が1つ上になる。周りの選手の誰に聞いても「ヒョンレは体が強いです」。腕っぷしの強さを感じさせるシュート、トップスピードに到達するまでの時間の短さに「肉食系」のすごみを感じさせる。

「家はソウルの江南(カンナム)というところです。もともとお兄さんがアイスホッケーをやっていて、一緒にリンクに行ったのがきっかけでした。小学1年の時です。もともとスケートが好きで、だからアイスホッケーが楽しくて、それでずっと続けてきました」

小学校時代はモクトン・アイスリンクのクラブチームに所属し、中学はアイスホッケー選手として入学した。韓国のスポーツ界は、その競技のエリート選手の人数を絞って徹底的に英才教育する。ヒョンレはいわば、国家代表へと続くエスカレーターに乗ったのだ。勉強もしないわけではなかったが、学校生活のメインはアイスホッケー。中学・高校と、ヒョンレはとことんアイスホッケーの空気の中に身を置いた。

大学進学を前に、いったん立ち止まって考えた。スポーツ推薦で大学に入って、ひたすらプロ選手を目指すのか。それともアイスホッケーだけでなく、勉強もする「大学生」として生きようか。ヒョンレが選んだのは後者だ。韓国の大学入学をとりやめ、日本の高校へ。北海道栄高校の3年生に編入し、アイスホッケー部に所属しながら日本語の勉強に取り組み、日本の大学に入り直した。大学生となった今は、日本をはじめ韓国、ロシア(サハリン)を含めたトップリーグ「アジアリーグ」の選手を目指しつつ、韓国と日本を結ぶビジネスマンとして活躍することも頭に置いている。

2018年のピョンチャン・オリンピックを機に韓国のアイスホッケーは積極的に強化を図り、近年の世界ランキングでは日本よりも上位につけている。「でも、日本のアイスホッケーのレベルはとても高いと思います。代表レベルは別かもしれませんが、U20や大学の年代では、韓国より日本のほうがプレースピードが速いです」。4月には関東大学選手権に出場。日本の学生プレーヤーと初めて戦った。高校までは1人でパックを持ち上がるシーンが多かったが、「大学ではそれができない。ホッケーのスタイルが違うと感じました」

将来的には「韓国よりも、どちらかというと日本に住みたい」という。「韓国は、エリートスポーツもそうですけど、どうしても専門的になるんです。日本はホッケー以外にも、勉強したり、ホッケーをやりながらいろんなことを経験できる。僕はそっちのほうがいいですね」

いつもニコニコして、フレンドリー。「一緒にプレーしたいのは、コミュニケーションを取りやすい人です。ここをこうしてほしいと言ってもらって、僕がそれに合わせてプレーをつくり上げていくのが好きなので」。話し合って、思いを伝え合って、いいものをつくる。韓国と日本、2つのアイスホッケーの間で、ヒョンレはすでに大きな役割を果たしている。

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