物静かで、真面目。高校時代まで学業面でも優秀だった。だからこそ、ヤンチャなイメージにあこがれるのか。


「ヨネヤマコウキ」の存在感を。

自分のプレーを「地味」だと分析する。ディフェンダーとして、まずはリスクを回避し、落ち着いてパックを前につないでいく。確かに地味といえば地味だが、DFの本来の仕事である「守り」の観点からすれば、目立つプレーをすることは必ずしもいいことではない。それでも米山本人は物足りなく感じているという。「もっと存在感を出していきたいんです」。そうか。そういうものなのか。

北海道・白樺学園高から今春、中央大学に入学した。背番号はこれまでずっと「24」だったが(ブルーズでも24)、大学では「74」に。プロチーム・栃木日光アイスバックスに昨シーズンまで在籍したDF河合龍一選手へのシンパシーに由来している。「河合選手はベテラン(35歳)で、それでもあれだけタフにプレーできて、独特のコミュニケーション力を持っている。自分とは真反対というか、自分にないものを持っているからあこがれるんです」

北海道の釧路市出身。本人いわく中学までは「やっぱり地味な存在でした」という。「同じ学年のDFだと、ロイ(菅田路莞・中央大学1年)とか、石田陸(東洋大学1年)とかが目立っていて、彼らは2年生で釧路選抜に選ばれていたんです、それが悔しくて。高校は、地元(釧路)の武修館も考えましたが、親元を離れて厳しい環境に身を置いたほうが成長すると思って白樺に行きました」。その通り、白樺学園高では入学して早々と主力セットを任された。

アイスホッケーを始めたのは5歳。2歳上のお兄さんの影響で、当時のポジションはセンターだった。「もともとFWのほうが好きで、でも小6の時に指導者の人が変わって、DFをやったほうがいいんじゃないかって。結果的に、こっちのほうが自分に合っていましたね」

特徴はブレイクアウト(攻め出し)。DFゾーンでパックを奪回し、攻撃を始める起点となるプレーだ。「球出しには自信があります。それと、相手ゴール前へのオーバーラップ。チャンスがあれば自分で得点したい気持ちでやっています」。そのあたりはセンターの経験が生きているのだろう。

高校卒業を控えて多くの大学から誘いがあった中で、中央大学を選んだ。「一番、自分に合っているチームだと思います。自分の思うように生きていけるというか。春の大会(関東大学選手権)は2セット目で出していただきましたが、大学ホッケーの流れに対応しきれていないと感じました。高校までのホッケーは、とにかく走ってガツガツいけばなんとかなった。大学は(相手がプレッシャーに来て)攻め込むのが無理だと判断したら、もう一度組み立て直します。そういうところは、これから慣れていかないと」

素材からいうと、間違いなく将来の日本代表になれる選手だ。「大学卒業後ではなく、在学中にフル代表に呼ばれたいと思っています。それから海外でプレーしたい。自分のタイプ的には北米よりもヨーロッパ、中でもチェコです。ホッケーがきれいじゃないですか」。チェコは、カナダのようにアイスホッケーの競技人口が多いわけではないが、フェイクレーンやポジションチェンジなど、相手をいなすホッケーで世界トップクラスの地位を築いている。スキルフルなスタイルにあこがれているのだ。

「アンダー代表で海外で試合をしましたが、外国の試合は、スポーツというよりエンターテインメントです。そういう雰囲気の中でプレーしたい。それと、やっぱり存在感を出していきたいですね。たとえば蓑島さん(圭悟・DF)は、初めてホッケーを見た人でもうまい選手だとわかる。蓑島さんや河合選手くらい目立つ選手になりたいです」

5月18日、河合選手のような長髪とヒゲで米山がリンクに登場する…わけはないが、公式戦とは違う「魅せる」プレー、今までの米山とは違う一面が、もしかしたら見られるかもしれない。

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