関西学生選手権決勝で同志社を破り、11年連続23度目の優勝を果たした関大。日曜の昼間という時間帯もあり、スタンドもよく入っていた。


6月22・23日、関西の学生チーム同士の試合を見る機会に恵まれた。関西学生連盟の大学がカテゴリーを超えて争う「関西学生選手権」。22日の3位決定戦は立命館が5-2で関西学院を、23日の決勝は関西大が7-2で同志社を破り、昨秋のリーグ戦と同じ順位で大会を終えた。

決勝は、層の厚い関大が貫録勝ち。スコアだけ見れば点差はあるが、2ピリ中盤まで「同志社、侮りがたし」と感じさせた。第1ピリオド10分、関大はDFからのショットにルーキーのFW泉大我が合わせて先制。PPの17分には、キャプテンのFW三浦詰平(4年)がオーバーロードからのミドルシュートで引き離す。関大は第2ピリオド立ち上がりにも3点目を追加。それでも同志社は直後にFW尾崎宏太(4年)が1点目、PPの5分に失点するも、その1分後に菊池優我(2年)が押し込んで2-4と反撃する。そこから関大が3連続ゴールを奪って最終的には5点差がついたものの、けっしてワンサイドの内容ではなかった。

「僕が入学したころは関大の1強状態でしたが、今は他の大学も力をつけています」と関大・三浦主将。関大はこれまでも、高槻キャンパス内に13年前に完成した自前のアリーナで、関東と伍するチームをつくり上げてきた。高校ホッケーマンの多くが関東志望と思われがちだが、関大を含む同志社、立命、関学の関西トップ4も希望者が多く、彼らが関東勢とインカレで競り合うケースも、わりと普通にある。

関大の目標は常に「インカレ優勝」。チームにとって長年のジレンマは、関西の大学を相手にしたときのホッケーと、関東上位校に対するプレーが同一ではないことだ。関大主体だった5月の「東西学生対抗」のスターズ(関西学生選抜)が見せたように、関東の上位校を相手にした時の関大は2-3で守り、パックを奪取した後のトランジションに勝負をかける。しかし、関西の試合においては、関大が引いて守る必要はない。普段のプレーの延長線上に「全国」が存在していないので、ダブルスタンダードで練習する必要があるのだ。

関西学生選手権を終えると、関大の照準は8月下旬に苫小牧で行われる「サマーカップ」に移る。ここでチームが関東の上位校を相手にどれだけできるかを見極め、秋のリーグに入っていく。三浦主将は「関大の特徴はシステムと団結力。組織の力を上げるためにも、まずは個人のスキルを高めることが大切だと思います。個人の力がないのにシステムホッケーをしても限界がありますし、逆にいうと、個人のレベルが上がればチーム戦術の完成度が上がっていきます」。自前のリンクという環境を生かし、関西学生選手権の翌日にも、下級生を中心に技術練習が行われていた。

たった2試合だが、関西トップの試合を見て気付いたことがあった。それは、1つのプレー、1つの試合を大切にすることと、自分の考えを言葉や態度で表現できる学生が多いことだ。ゴールが生まれると、関西の学生は思いきり喜ぶ。得点者に駆け寄り、飛びつき、氷上に出ていた全員で喜びを共有する。得点を決めた選手が1人でガッツポーズをして、グラブで軽く仲間にタッチというシーンを見慣れている身としては、関大リンクでの光景は新鮮で、見ていて幸せな気持ちになった。

三浦主将は「1つの得点をみんなで喜び合うのは、関西の特徴だと思います。アイスホッケーは関大の強化指定部ですが、まず勉強、人とのつながりがあって、それができた上でのホッケーなんだと教わってきました。単に勝つだけでなく、見に来てよかった、アイスホッケーっていい競技だなと観客の方に思っていただくことも使命なんです」。決勝戦では、関大に負けじと同志社も得点の喜びをインターハイ並みに表現していた。2ピリ1分に挙げた1点目の後のセレブレーションは、その後の反撃の出発点になった。

今回の滞在で、関西学生リーグ1部A(6校)のほぼ全選手と話すことができた。どの選手の目にも光が宿り、自分の言葉で話ができる選手ばかりだった。フィギュアスケートの有力選手がひしめく関西は、ホッケーの練習・試合の割り当てが厳しくなっていて、関西学生リーグも参加校が減少傾向にある。それでも彼らなら、下を向くことなく未来に可能性をつなげてくれると思えた。東西学生対抗のスターズの戦いもそうだったが、「熱い気持ちを持ったホッケーマンがここにもいる」と、明るい気持ちになれた関西インカレだった。

22日の3位決定戦は、先制した立命(赤)がそのまま関学を押し切った。「気持ちが乗った時は打倒・関大の一番手」といわれる関学は、秋にその片鱗を見せることができるか。

元のページへもどる