ゲームリポート アジアリーグ2019-2020(2020.1.18 韓国・コヤン)

デミョンキラーホエールズ1316敗・勝点381(0-2、0-2、1-3)7 王子イーグルス1910敗・勝点53


プレーオフ行きを早く確定させたい王子にとって「試練の6番勝負」。韓国シリーズ初戦となる18日夜、コヤンでのデミョン戦は7-1の完勝だった。

立ち上がりはしっくりいかなかった。第1ピリオド1分、レフェリーの池上さんが選手と正面衝突して一時退場。アリーナがどんよりした空気に包まれ、それもあってかデミョンが3分、5分と続けざまにメンバーオーバーを犯す。王子とすれば、このカムサハムニダ的な計4分間のPPを生かしたいところだったが、外からシュートを打つも最後の一線をなかなか割れない。7分には、FW越後智哉がペナルティ。PPで点を取れずにPKで…という嫌なストーリーになりかけた。

悪い流れを断ち切ったのが、FWタイラー・レデンバックだ。PPで前がかりになったデミョンのパスをカットし、GKとの1対1を制してファインゴール。プラス2のPPの18分には、ゴール前でレデンバック-FW中島彰吾とつなぎ、最後はFW大澤勇斗が押し込んで2-0とする。第2ピリオド8分には、大澤が飛び出してGKと1対1になるところでデミョンDFのホールディングを誘い、PSに。これをレデンバックが確実に決めて3-0、17分にはデミョンGKのアレクセイ・イバノフのディレイの反則で得たPPを生かして4点目と、この時点で勝利をほぼ確実にした。

目を奪われたのは、王子のOゾーンでのアグレッシブフォアチェックだ。デミョンが自陣のゴール後方でコントロールブレイクアウトを試みると、王子のFW3人がハッシュマーク付近でほぼ横一線になり、パスコースを封じる。これでデミョンがパニックに陥った。1ピリ17分にデミョンのFWマイク・テストウィードが、2ピリ16分にはイバノフがディレイの反則を犯し、ことごとく王子の得点につながったが、いずれも王子のFWが激しいプレッシャーを与え続けたことに端を発していた。攻める時も、守る時も、3人プラスα。どの局面においても足を使ってアウトナンバー(数的優位)を保ち続けたのが王子の勝因だった。

王子は前日、札幌から仁川空港へ移動。入国審査に予想外の時間を費やし、コヤンでの練習は2015分スタート、ホテルに戻って食事を終えたのが2340分と、かなりのハードスケジュールだった。菅原宣宏監督は「この6連戦はウチにとって本当に大事な戦いですし、とりわけこの1戦目、デミョンにどういう試合ができるかが大きな意味を持っていると思っていました。選手もそのあたりを自覚して、前日からこの試合に向けていい調整をしてくれたと思う」とまずは安心した様子だった。

2ピリまではロートラップ、3ピリはハイトラップと、前週のアイスバックス戦前から導入した新しいシステムが機能したことも、チームにとっては自信になる。キャプテンのDF山下敬史は「2つのシステムを使い分けることで、選手の体力的な負担はむしろ軽くなっていると思います。ただ、まだ完璧というわけでもなくて、たとえば今日の試合でもスロットが空いてしまうケースがあったので、そのあたりをこれから修正していきたい」と話す。

逆転2位でのプレーオフ進出は難しいが、このまま3位でレギュラーリーグを終えたと仮定すると、プレーオフの相手はハルラになる可能性が高い。「今季これまで、ウチは6得点が最高で7得点は初めてですが、こういう大勝の次の試合が危ない。変な計算をしないで、目の前の1試合に全力を尽くすだけです」と菅原監督。ついつい、ハルラとの「仮想プレーオフ」に目が行きがちになるが、菅原監督の言う通り、まずはデミョンとの残り2試合で王子がどう戦うかに着目したほうがよさそうだ。


欠場中のFW久慈修平も裏方としてチームに貢献。「もう氷上には乗れているので、ハードな動きを戻せれば復帰できると思います」。表情は明るかった。

試合後、移動のバスを待つ間にも、選手同士で連携の確認。大勝にも、油断する様子はなかった。

6連戦のスタートを快勝で飾り、FW三田村康平も満足げにバスに向かう。

ルーキーらしく、洗濯物を背負って会場を後にするFW柴田嗣斗。「東洋の後輩たちが頑張っている(インカレ優勝)ので、僕も頑張らないと」

同じくルーキーのDFハリデー慈英もタオル係。柴田とは合宿所の部屋が向かい同士で、互いに刺激し合っている。

デミョンのネット中継のスタッフ。座っていると前方が死角になるので、中継はスタンディングスタイルで。ピリオド間にはカップラーメンでエネルギーを蓄えていた。

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