2020関東大学リーグ戦・1部リーグA 第6週(11月29日・西東京市・ダイドードリンコアイスアリーナ)

第2試合 中央(6勝・勝点18) 4(1-1、3-0、0-0)1 東洋(5勝1敗・勝点15)

前週、11月22日の明治戦で圧勝した東洋にとって、この中央戦は勝てば優勝が決まるという大一番だ。東洋は、最終週(12月6日)のカード・早稲田戦での不戦勝が決まっている。今季はインカレが中止になったため、4年生にとってはこの日が最後の公式戦だ。4年生のためにも負けられない東洋。試合前から気迫が伝わってきた。

 

試合の入りは五分五分。5on5での攻防は、スキルとフィジカルで上回る東洋が押している印象だった。

試合が動くのは早かった。第1ピリオド222秒、東洋FW清水怜(4年)のペナルティで、中央がこの試合最初のパワープレー(PP)。中央は機を逃さず、9秒後にDF長岡翼(3年)がシュート、ゴール前のFW小原匠麿(3年)が方向を変えて先制点を奪う。

しかし、東洋も黙っていない。先制点を奪われた5分後の7分、DF石田陸(2年)のパスアクロスをキャプテンのFW猪狩大智(4年)がワンタイマー。これには中央GK館田卓(4年)も追い付けず、綺麗にゴールネットに突き刺さった。これで1-1、勝負は振り出しに戻った。

5on5では試合を優位に進める東洋は、同点ゴールを機に逆転まで行くかと思われたが、中央は館田のナイスセーブとプレーヤーの献身的な守備がうまくハマり、そのまま1ピリが終わる。

1ピリ最後の反則を引き継ぎ、第2ピリオドは中央のPPでスタート。ここで躍動したのが第1セットだ。キャプテンの徳光陸(4年)、副キャプテンの宮本明朗(4年)、同じく3年生ながら副キャプテンの矢島翔吾のFW3人が集まるこのセット。宮本・徳光の名コンビに、スコアリングセンスに優れる矢島が絶妙に噛み合い、攻撃の組織力が光る。

21分、中央はゴール裏の宮本が東洋のDF2人を引きつけ、ゴール前でフリーになっている矢島にパス。それを矢島が冷静に決めて値千金の2点目、東洋を再び突き放す。

さらに中央はPPの27分、DF畑山隆貴(1年)のゴール左からのパスに徳光が正面で合わせて3点目、点差を「2」に広げる。

 

反撃のきっかけをつくりたい東洋だったが、28分、FW阿部泰河(2年)がハイスティックでゲームアウト。逆に中央にメジャーペナルティ(5分間)を与えてしまい、ディフェンシブな戦いを強いられる。

メジャーペナルティを守り切った東洋だが、15分21秒、同48秒と立て続けに反則を犯し、中央に5on3のチャンスが到来。この場面で、またも徳光・宮本のコンビネーションが炸裂する。2人のパス交換から37分、ゴール前のスクリーンで東洋GK佐藤永基(1年)がパックを見失った瞬間、宮本が正確なコントロールシュートで追加点、4-1とする。

 

2ピリを終えて、中央が3点のリード。中央はピリオド間のミーティングで、それまで以上に守りを固め、欲張らずに行くことを確認し、最後の20分間に臨んだ。

第3ピリオド立ち上がり、中央は続けざまにペナルティを重ね、東洋が5on3のチャンス。点差を縮めたい東洋だが、中央は館田を中心によく守り、リーグ最強ともいわれる東洋攻撃陣もゴールを割ることができない。

3ピリは終始、東洋ペース。しかし、猪狩とセットを組む阿部の不在が影響したか、攻撃が空回りし、いつもの破壊力が影を潜めた。

スコアはそのまま動かず、中央3点リードのまま試合終了。SOGは東洋 の50に対して中央は41 と東洋がペースを握る時間帯も多かったが、セーブ率98%を記録した館田が好守で立ちはだかった。

館田のゴールテンディングもさることながら、驚かされたのは中央の組織力だ。東洋GK佐藤を攻略するために、マネジャー・プレーヤーが総力を挙げて分析し、対策を立てた。その戦術を完遂した中央の選手のスキルも特筆に値する。前評判では、選手のレベル、勢いとも東洋に分があるといわれていたが、個の力ではなく、チーム力で戦う中央の快勝だった。

一方の東洋は、優勝が目前に迫った大事な試合で勝ち切ることができなかった。4年生はこの試合で引退、秋のリーグ戦が唯一の大会という短いシーズンが終わってしまった。

キャプテンの猪狩は、この大会16ポイント。自ら一番多くのポイントを重ね、チームを引っ張った。今季の東洋は1年生から4年生まで実力者が揃い、このチームの試合をもっと見たい、生で見たいという大学リーグのファンも多くいただろう。それがかなわずに、11月でシーズンが終わってしまうのは本当に惜しい。


それでも、東洋にはまだ優勝の可能性が残っている。最終週を前に、ここでもう一度、優勝争いについて確認しておきたい。

最終週の12月6日は、ここまで6連勝の中央(勝点18)は、5勝1敗の明治(勝点15)と対戦する。東洋の対戦相手は早稲田だが、早稲田はすでにリーグ戦の棄権が決まっているため、東洋は不戦勝で6勝1敗・勝点18で日程を終えている。

中央は、次の明治戦に勝てば7戦全勝で文句なしの完全優勝となる。

今秋のリーグ戦には引き分けがなく、60分を終えて同点の場合はPSSとなり、PSSで勝てば勝点2、敗れても勝点1が加算される。このため、明治-中央戦が仮にPSSに持ち込まれると、その時点で中央が勝点1以上を獲得することが決まり、東洋と明治は中央を上回ることができなくなる。

仮に中央が60分で敗れると、明治、東洋と中央がすべて6勝1敗・勝点18で並ぶ。3チーム間の勝敗は「三すくみ」。現時点での3校間の得失点差は、中央が+3、東洋が+1、明治が-4で、要項では下記の順番で順位が決定されるとある。

① 勝点の多い順
② レギュラータイムの勝数の多い順
③ 当該校の対戦成績
④ 当該校同士の試合での得失点差の大なるもの
⑤ 当該校同士の総得点÷総失点の商の大なるもの
⑥ 全試合の得失点差の大なるもの
⑦ 全試合の総得点÷総失点の商の大なるもの
⑧ 全試合のペナルティタイム
(分)の小なるもの
⑨ ランキング上位のもの

最終戦の明治-中央は、昨年度のインカレ3位決定戦と同じ組み合わせ。明治と中央の4年生は、くしくも同じカードで引退となる。最後に笑って戦いを終えるのはどちらだろう。あるいは、そのどちらでもないのだろうか。(取材・森健城)

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