▽2022秩父宮杯 関東大学選手権Aグループ 決勝リーグ第1日(4月23日・ダイドードリンコアイスアリーナ)

明 治(1勝・勝点3) 6(1-3、2-0、3-1)4 東 洋(1敗、勝点0)


小学生時代からYou Tubeで人気を博したワンダーボーイ・井口藍仁の大学デビュー戦。しかも相手は昨シーズンのナンバーワンチーム・東洋とあって注目度が増した一戦は、ここ一番の集中力でまさった明治が逆転勝ちした。

1ピリは東洋ペース。序盤からペナルティを連発する明治に対し、東洋はパック支配率で完全に上回り、3連続ゴールで先行する。明治は17分に井口がシュートリバウンドを押し込み、1点を返すにとどまった。

インターミッション。この試合で指揮を執った明治・山岸大樹コーチが選手に指示を出した。「パックに対してもっとチャレンジしていこう」。Оゾーン、もしくはニュートラルゾーンと相手ゴールに近いエリアでパックを奪い、そこから速い攻めで崩していこうという意味だ。

上位4校で争われる決勝リーグだが、明治は準々決勝に該当する2回戦で大東文化に不戦勝。この試合を迎えるまで公式戦を一つもこなしていなかった。「練習試合はありましたが、今日がこのチーム最初の公式戦。しかも相手は東洋ですから、1ピリは試合慣れしていない部分がありました。逆にいうと、それで1-3なら想定の範囲内。2ピリ以降はウチのペースになると思いました」と山岸コーチは振り返る。

言葉通り、明治は2ピリから、特にニュートラルで積極的にプレッシャーをかける。すると、1ピリとは逆に今度は東洋が反則を連発。明治は26分にPPで、同じく26分に連続ゴールを決め、3-3のタイに持ち込む。

明治の勢いは3ピリも止まらなかった。44分、3つ目のFW石井佑空(3年)が勝ち越しの4点目。東洋も55分に追いつくものの、明治は57分、またも石井がパスアクロスを正面でたたいてスコア。これが決勝点となり、59分にはエンプティで1点を加えて逃げ切った。

井口の加入が明治を変えた…そうまとめたいところだが、この試合を見る限り、明治のホッケーに井口が合わせていた印象だ。明治は1ピリこそ東洋に押し込まれたが、前述のように2ピリ以降はニュートラルで勝負をかけ、シュートが決まらなければハリーバックでパックを奪い返し、そこからまた攻撃につなげていた。シンプルで、それでいて明治らしい波状攻撃。昨季の4年生のDFが抜け、今季の明治は守りに不安があるからこそ、Dゾーンに持ち込まれる前にパックを奪い返す必要があった。

東洋とすれば、世界選手権代表となった石田陸(4年)、木村俊太(3年)の2人の主力DFを欠いた影響は小さくなかった。普段は攻撃参加が目立つDF武部太輝(4年)は、「今日は守りに体力を使って、攻めるところまでいきませんでした。特に2ピリは反則が多くて、3ピリもシュートが少なかったですよね。とにかく今日は疲れました」。1ピリのシュート数は、東洋の20に対して明治は9。それが2ピリは1714と明治が上回り、3ピリは18-9と圧倒した。明治のプレッシャーとトランジションの速さが、時間の経過とともに、いかに東洋のエネルギーを奪っていったか。それを証明する数字といえる。

(取材・山口真一)

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