▽2022秩父宮杯 関東大学選手権Aグループ 11・12位決定戦(4月30日・ダイドードリンコアイスアリーナ)

日本体育 4(0-0、1-1、3-1)2 青山学院


興味をかきたてられる顔合わせだった。昨年度の関東1部リーグB優勝校の日体と、2位・青山の対戦。昨秋のリーグ戦では日体が4-3で競り勝ち、しかし両チームとも反則が多く、5人対5人の場面が少ない不完全燃焼の内容だった。

日体と青山は今春、ともにコロナによる棄権(不戦敗扱い)があり、日体はこれが秩父宮杯初戦、青山も2試合目。1112位決定戦とはいうものの、両校とも1部Aの下位校と互する力があり、秋を占う意味で注目すべき一戦だった。

「秋を占う意味で」と記したのには理由がある。コロナの影響で実現しなかったものの、昨年秋、関東1部リーグは新たな方策を試みようとしていた。1部Aの8校、1部Bの6校がそれぞれ1回戦総当たりで対戦したのち、2次リーグは1部Aの上位6校が再び総当たりで戦い、1部Aの下位2校とBの上位4校、計6校が総当たりで順位を決定するというものだ。つまりBに所属する6校にとっては、1次リーグで4位以内に入れば2次リーグの戦績次第でA6校に続く7位、8位にランキングされる可能性があり、目下のところ、その有力候補が日体であり、青山であるというわけだ。

前述の大会様式が今季、採用されるかどうかは未確定で、コロナの状況次第では昨年、一昨年と同様に「特別大会」としてA・B間の入れ替えが見送られる可能性も否定できない。それでもBの6校は、前述の形式が採用されることを信じて新チームの活動を続けている。

 

前置きが長くなったが、今回の日体・青山のライバル対決は、この秋を見据えた上で、現段階でのストロングポイントと課題を浮き彫りにした試合になった。

1ピリはともに無得点。シュート数を見れば15-4と日体が圧倒しており、しかし青山はDゾーンで日体の決定機をきっちり封じた。攻撃力に勝り、Dゾーンでパックを奪うと一直線に敵陣へ駆け上がる日体と、ピンチをしのいで数少ないチャンスにかける青山。カラーが対照的だからこそ、俄然、試合への興味は増した。

2ピリに入って4分後、均衡が崩れる。青山のゴール前、DFとGKのリレーミスを突いて日体が先制。シュートを重ねて相手を揺さぶり、ぽっかり空いたスペースを生かした先制弾だった。しかしその2分後、今度は青山がPPを生かしてシュートを打ち続け、日体ゴール前で日体DFがダブルスクリーンになった隙にFW高木智太(2年)が同点ゴール。ここぞという場面で集中力を高める青山らしさが垣間見えた。

2ピリ後半から、主導権は日体に移っていく。青山もよくしのいで1-1のまま2ピリを終えたが、青山のパス、ドライブが徐々に正確さを欠いてきた44分、日体はFW植森大貴(3年)がDゾーンから単独で攻め込み、バックハンドで勝ち越しの2点目。50分にもPPらしい大胆なパス回しからキャプテンのFW伊藤優人(4年)がワンタイマーをたたき込み、58分にはエンプティを流し込んだ。

 

今季から日体の指揮を執る金子嵩基監督は、「こちらがやりたいと思っていることを青山さんは(それを先読みして)つぶしてきましたね。それでも、試合棄権で始まったこの大会を勝利で終えられたのはよかった」。金子監督は一昨年度まで日体のキャプテンで、現在は大学院で勉強を続けている。「大学院で研究していることを生かして、データを用いる新しい取り組みをしていきたい。この秋は(A6校に次ぐ)7位を目指していきます」。夏の陸トレでは、選手の動きを細かく数値化して強化につなげていくという。

敗れた青山も、秋に向けてチームの現在位置をしっかり把握した。「コロナの影響もありますが、今日は試合中盤にスタミナが切れました。これは、昨年来のウチの課題。それがまだ克服できていなかったということです」と高橋元太監督。青山はかつて陸トレは週1回という時代があったが、現在は氷上3回、陸トレ2回、ウエート1回と、1部Aともひけをとらない練習をこなしている。こちらも「秋の7位」に向けて手綱を緩めるつもりはない。

かつてアイスバックスを率いた青山・村井忠寛コーチは「筋量を増やさなければいけないという課題が見えた一方で、パックを持つことを恐れなくなったのは成長した部分だと思います。以前はキープをする自信がないからパックをすぐ手離してしまう選手もいたのですが、それがなくなった」と証言する。相手のフォアチェックに応じてアレンジするコントロールブレイクアウトは、青山ならではの特徴。この春、1部Aを相手に披露することはかなわなかったが、もしかしたら秋のリーグで、ランキングが上の相手を翻弄するシーンが見られるかもしれない。

(取材・山口真一)

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