▽第71回関西学生氷上競技選手権最終日(6月26日・関西大学たかつきアイスアリーナ)・決勝

関 西 5(1-1、0-0、4-1)2 同志社

1試合トータルのシュート数は、関西大の「62」に対して同志社は「26」。それでも2ピリ終了時点で1-1とタイトなゲームになった。そこから関大は、準決勝・関西学院戦がそうだったように、3ピリ立ち上がりから連続ゴール。同志社の反撃を1点に抑えて振り切った。

 

個人技を盾に、パック保持率は圧倒的に関大が上回った。それでも、Oゾーンでパスを回す割になかなかゴールを割ることができない。大迫敬二郎監督は「そのあたりは、関西でやっていく上でのウチの慢性的な課題でしょう」と話す。「練習試合では、同志社さんとはけっこう差が開いているんです。そうなると、選手も緊張感を持って試合に入るのが難しくなる。それと(関大にとってのОゾーンの)中でしっかり守られると、得点はどうしても生まれにくくなります。攻めても入らないフラストレーションが、悪い流れを生んだ面もありました。ただ、それでも3ピリの内容は評価したいと思います」

決勝の4日前に行われた関学との準決勝は、1ピリに2点を先行され、2ピリを終えた時点で3-3。3ピリで5連続ゴールを決めてスコア上は圧倒したが、やはり試合への「入り」の難しさを感じさせた。準決勝が行われた夜は、リンク周辺はどしゃ降りの雨に見舞われ、関大、関学ともに氷に上がる前のウォーミングアップができなかった。そうしたリンク事情を含め、関西で強さを保っていくのは周りが考えている以上に難しいのだろう。

 

関大の今季主将は、GKの加藤陸(4回生)。武修館高時代から実力を評価されてきたが、先ごろ、卒業後のトップリーグ入りを断念した。「今は関大を勝たせること、それしか考えていません。目標はインカレ優勝とか具体的なことはあえて考えずに、目の前の1試合、1試合を全力で戦っていこうと、今はそんなふうに思っています」

 

関大は今季からDFコーチとして元クレインズの羽刕銘がスタッフ入り。同じくトップリーグでDFとして活躍したOBの篠原優平コーチとともに守りの強化を図っている。昨シーズン学生3冠の東洋との招待試合を行うなど、関西でひときわ積極的な強化策は、秋のリーグ、さらに本番の冬で花開くのか。アンテナを張っておきたいチームだ。


敗れた同志社も、GK加藤雄己(3回生、東北)の好守と、カウンターからの速い攻めで見せ場をつくった。1ピリの7分にPKで失点したが、15分、FW近藤龍耶(2回生、白樺学園)が同点ゴール。3ピリ、55分に1-5とされてからも、58分にFW岩本倫周(2回生、東北)が速攻から意地のゴールを決めた。

 

同志社のキャプテン、DF福井健太郎(4回生、光泉)は、「2ピリまでできていた我慢が最後まで続かなかった。これは体力、技術の問題というより、精神的な弱さだと思います。今年の同志社は、主役と呼べる選手がいません。みんなで頑張る良さがある一方、苦しい場面で、俺がなんとかしてやると考えられる選手が出てくるかどうか。今日負けた悔しさを忘れずに、秋、あらためて関大にチャレンジしたいと思います」

 

優勝を決めた関大がチャンピオンキャップをかぶって記念撮影をする。関西おなじみの風景は、この夏も変わらなかった。それでも少しずつ、関西学生リーグの氷の上に変化が芽生えている。今大会中盤の話題は、大阪工業大(昨季1部リーグB)のベスト8入り。かつて3部リーグの常連だった同校だが、近年の補強と練習量が実り、昨秋は1部Aの龍谷、この夏は京都産業大を下している。練習試合を見る機会があったが、GKを中心にシンプルな(危険を冒さない)守りをする好チーム。この秋、1部リーグ上位6校の顔ぶれが「変化」する可能性も、十分にあるといっていい。


準決勝で関大に敗れた関西学院と、同じく同志社に敗れた立命館との3位決定戦は6月25日に行われ、ルースパックへの反応、ボード際の厳しさで相手を上回った関学が4-0で快勝した。関学は2ピリまでの3得点はすべて個人技でのゴールだったが、41分、2人対1人の形からFW小見山我玖(2年、白樺学園)がスコア。4日前に関大に逆転負けしたダメージを拭い去って大会を終えた。

(取材・山口真一)

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